新築マンションの内覧会では、「扉」や「窓」など、動くものがきちんと動くかどうか確認したり、「コンセント」や「スイッチ」といった固定されているものがしっかり固定されているかどうか確認したりと、まずは基本的な不具合がないか確認していくことになりますが、同時にお部屋の中に目立つ傷や汚れがないかどうかといった仕上がり具合も確認することが大切です。
お部屋の仕上がり具合の確認では、とかく小さな傷や汚れなど目がいってしまいがちですが、それらにあまりこだわることなく、まずは本質的な仕上がりに問題がないか確認していくことがポイントです。
例えば、壁紙(クロス)のつぎはぎ修繕の跡。
このような壁紙のつぎはぎ修繕跡は、しっかり指摘することさえできれば、壁紙を大きな範囲でまるごと貼り替えてもらえます。
(洗面所袖壁出隅部分の壁紙のつぎはぎ修繕跡と拡大画像)
壁紙のつぎはぎ修繕跡は、壁紙を正面から見るだけでなく、下から眺めたり横から眺めたりすることで比較的簡単に見つけることができます。
また、壁紙のつぎはぎ修繕跡の多くは、壁が出っ張っている部分や壁が複雑に入り組んでいる部分、また、隅部分などに多く見られることから、そのあたりを中心に確認していくことが効率的でしょう。
なぜなら、壁紙のつぎはぎ修繕跡がよく見られる部分は、工事中に材料をぶつけたりしやすい部分に集中しているからですね。
また、傷付けたあとに壁紙をまるごと一枚貼り替えるのにとても手間がかかる部分のため、つぎはぎ修繕で済まされてしまうことが多い場所だからです。
(洗面所袖壁上部天井部分の壁紙のつぎはぎ修繕跡と拡大画像)
(和室天井壁紙のつぎはぎ修繕跡と拡大画像)
(キッチン袖壁壁紙のつぎはぎ修繕跡)
意外と見落とされがちな不具合ですが、時間が経過してしまいますと壁紙のつぎはぎ修繕跡部分が目立ってくるため、なるべくなら内覧会時に貼り替えてもらうことが理想的です。
これから内覧会を控えている皆さんは、小さな傷や汚れに終始することなく、基本的な仕上がりから確認して下さいね。
三上隆太郎(みかみ りゅうたろう)
住宅営業として新築住宅販売に携わった後、家業の建設会社にて施工経験を積み、 (株)さくら事務所参画。
熱意あるアドバイスが好評をよぶコンサルタント。不動産・建物調査のマルチプレーヤー。
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