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築年別中古マンションの評価ポイント:第7回 




第7回:徒歩3分以内の物件なら築10年以内か20年以上

住宅問題評論家 山下 和之


▼バブルのピーク時には徒歩3分以内は激減した

 何かと忙しいシングルやディンクスなら、できるだけ便利な場所にマンションを確保して時間を大切にしたいもの。駅前立地とまではいかなくても、徒歩時間はできるだけ短いほうがいいでしょう。特に女性の場合には防犯面からも、駅前の明るい場所を歩いて帰ることができる物件が望ましいのではないでしょうか。
 そこで、ひとつの目安として最寄り駅からの徒歩時間が3分以内の物件の割合をみると、図表1のようになっています。首都圏では、1980年代後半のバブル経済ピーク時には、地価の急上昇によって駅近の利便性の高い場所でのマンション立地が難しくなり、どんどん遠くなってしまいました。1981年には徒歩3分以内の割合が2割近くに達し、平均所要時間も7分台だったのですが、80年代後半から90年代前半にかけては、徒歩3分以内の物件のシェアは1割前後まで低下し、平均所要時間も10分近くになってしまったのです。

図表1 首都圏新築における徒歩3分以内のシェアと平均所要時間の推移
首都圏新築における徒歩3分以内のシェアと平均所要時間の推移
(資料:東京カンテイ『マンションデータ白書』)

▼最近の新築は駅近物件が徐々に減少している

 ところが、バブルがはじけてから地価の低下によってより利便性の高い場所でマンションが建設されるようになりました。90年代後半から再び徒歩3分以内のシェアが高まり、2003年から2005年までの3年間は2割を超える水準に達しました。平均所要時間も8分台で推移しています。それが、最近では再び駅前立地物件が減少し、徐々に徒歩時間が長くなりつつあります。新築物件で駅前立地の利便性の高いマンションを探すことは難しくなりつつあるわけです。
 また、都県別にみても、東京都の割合は図表2にあるように、1980年代前半には4割以上だったのが、80年代後半から90年代前半にかけてはかなり減少し、90年代後半から急回復しています。徒歩3分以内のシェアの推移とほぼ同じような動きを示していることがわかります。

図表2 首都圏新築マンションに占める東京都の戸数とシェアの推移
首都圏新築マンションに占める東京都の戸数とシェアの推移
(資料:東京カンテイ『マンションデータ白書』)

▼築10年以内の中古なら新築とさほど変わらないレベル

 そこで、徒歩時間の短い、利便性の高いマンションを探す有効な手段として、中古マンションに目を向ける方法が考えられます。ひとつには、1990年代後半から2000年代前半の、築10年以内の比較的築年数の浅い中古物件がターゲットになります。この時期に分譲されたマンションは、建物の構造、外観、設備などのさまざまな面でそれまでのマンションと一線を画するほどレベルが高まっています。最新の新築マンションとさほど遜色ないレベルなので、比較的安心して購入することができます。
 価格は築年数の長い物件に比べるとかなり高くなります。希望エリアや条件を絞り込んだら、ジックリと腰を据えて探すようにするのがいいでしょう。そのエリアの情報に強い仲介会社などに依頼しておき、物件が出たらすぐに行動に移せるようにするなど、臨機応変に対応する必要があります。焦らず、腰を落ち着けてリサーチを続けながらも、いざというときには迅速に行動することが成功への秘訣といえるでしょう。

▼築20年以上の物件を購入してリフォームする

 一方、築20年以上の物件なら築浅物件より、かなり安く手に入れることができます。第1回で触れたように、東日本不動産流通機構の調査によると、首都圏中古マンション成約m2単価は、築6年〜10年が平均50.67万円に対して、築21年〜25年は27.77万円、築26年〜30年は26.27万円。築26年〜30年なら、築6年〜10年のほぼ半値で入手できるわけです。
 その分、構造、外観、設備などの老朽化は否めません。自分たちのライフスタイルに合わせる住まいにするためには、大幅なリフォームが必要になるかもしれません。それでも新築や築浅物件との価格差を考えれば、かなりの金額をかけてリフォームしても、十分お釣りがくるのではないでしょうか。

 多少価格が高くなるのを覚悟して、より新築に近い性能のマンションを確保できる築10年以内に絞り込む、反対に多少の老朽化は仕方ないと割り切って、築年数が長く、価格の安い物件をターゲットにする――これが、徒歩3分以内など、利便性にこだわる人にとって現実的な物件探しのポイントになりそうです。

 


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