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築年別中古マンションの評価ポイント:第10回 




第10回:築年別流通シェアからみた中古マンションの買いやすさ

住宅問題評論家 山下 和之


▼売却率が一番高いのは築16年〜20年

 前回は、価格面からみた中古マンションの築年数別の狙い目を紹介しましたが、今回は物件の選びやすさについてみてみましょう。
 まず、図表1をご覧ください。これは、東日本不動産流通機構が、首都圏で売りに出された中古マンションの築年数別の売却率、取引率をまとめたものです。売却率というのは、築年数別の総ストックのうち何%の物件が売りに出されたかという数字で、取引率は同様に総ストックのうち実際に取引が成立した物件の割合を示しています。
 この売却率、取引率ともに築16〜20年の物件が最も多くなっています。新築から20年近くが経過すると、建物の老朽化が進み、各種設備も古くなってきますし、所有者からみても、ライフステージやライフスタイルが大きく変わっています。しかも、築20年近くになると、価格は大幅に下がります。さまざまな面からみて、そろそろ売り時、買い換え時ということになるのでしょう。
 築16年〜20年は売却率が10.72%。この築年帯の物件のうち10件に1件が売りに出されている計算です。ただし、実際に取引が成立するのはその2割程度で、取引率は1.85%にとどります。それでも、他の築年帯に比べるとかなり高い数字といえるでしょう。

図表1.中古マンションの対ストック売却率・取引率
 
売 却 率
取 引 率
2006年
2007年
2006年
2007年
築0〜5年
2.80%
4.51%
0.87%
0.98%
築6〜10年
4.53%
5.46%
1.42%
1.34%
築11〜15年
6.05%
5.43%
1.53%
1.25%
築16〜20年
7.97%
10.72%
1.75%
1.85%
築21〜25年
6.96%
7.86%
1.70%
1.51%
築26〜30年
5.78%
6.57%
1.40%
1.22%

▼築年別構成比では築6〜10年がトップ

 ところが、中古マンション市場における構成比率をみると違ってきます。新規登録数、成約数の両者ともに図表2にあるように、築6〜10年がトップになっているのです。2007年には新規登録でみると、築6〜10年は16.6%で、成約では19.5%を占めています。それに対して、築16〜20年は新規登録が14.6%で、成約は12.1%にとどまります。
 その最大の要因は、各築年帯の新築時の物件数の違いにあるとみられます。築6〜10年の物件は1990年代後半から2000年台初頭の建築で、この時期には年間の新築物件数が8万戸前後で推移してきましたが、築16年〜20年に供給された1980年代後半から1990年にかけてはその半分程度にとどまっていました。基礎となるストックの数が異なっているのです。
 しかし、それだけではないでしょう。

図表2.中古マンションの築年数別構成比(2007年)
首都圏新築マンション供給戸数と専有面積30平方メートル〜50平方メートル未満の割合の推移

▼築16〜20年が一番買いやすい!

 購入希望者の意識の問題もあるのではないでしょうか。中古マンションに目を向ける人の多くは、新築に比べての価格の安さに引かれて行動する人が多いと思いますが、それでも、やはりできるだけ新築に近い状態の物件を選びたいと考えるものです。予算面から、中古マンションにせざるを得ないけれど、あまり古いのはどうも・・・・という人が少なくないでしょう。
 事実、築年別に新規登録数のうち、何%が成約に至ったかを示す成約率をみると、図表3にあるように、築6〜10年が24.5%と最も高く、築15年までは20%台を維持しています。それが、16〜20年になると17.3%まで低下します。逆に、築21年以上になるとやや高くなって、20%前後に戻ります。築年別にみると、築16〜20年の成約率が最も低くなっているわけです。
 売主からみれば、築16〜20年が一番売りにくいわけで、それまでに売ってしまうのが得策になりそうですが、買主からみると、この築年帯が最も買いやすいということができます。物件そのものはさほど多くはないとはいえ、新規登録の構成比でみると、先にみたように築6〜10年が16.6%に対して、築16〜20年は14.6%で、そう極端に差があるわけではありません。しかも、なかなか買主が見つからずに焦っている売主が多いかもしれません。上手に交渉すれば、かなり有利な条件で購入できる可能性が高いといえるでしょう。

図表3.中古マンションの築年別成約率
  2006年 2007年
築0〜5年
31.2%
21.8%
築6〜10年
31.4%
24.5%
築11年〜15年
25.3%
23.1%
築16年〜20年
21.9%
17.3%
築21年〜25年
24.5%
19.2%
築26年〜30年
24.3%
18.5%
(資料:いずれも東日本不動産流通機構「築年数からみた首都圏の不動産流通市場」)



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