今回も、基本中の基本をチェックです。
それは、いろいろなものを「動かしてみる」こと。
・開閉するたびに枠に擦れるような感覚はないか
・ドアを枠から吊り下げている丁番からギイギイというような音は聞こえないか
・ドアを閉めたつもりでも枠に「カチッ」とドアが掛からず、開いてしまわないか
こういったことに気を向けてみてください。
また、ドアを開けたら「戸当たり」のチェックもしましょう。
戸当たりとは、ドアノブが壁にぶつかってしまわないよう、床に取り付けられた
突起物のことです。ドアを開いてドアノブが壁に当たってしまわないかを確認します。
これは適正な状態で、ドアを開けると戸当たりに当たるようになっています。
次はさくら事務所の内覧会立会いで指摘したドアの戸当たりの指摘例です。
見た目には特に異変を感じないかもしれませんが、ドアを開けてノブが壁に当たって初めて気付くことになります。
では、この他の「動かしてみたらおかしかった」の例をご紹介しましょう。
キッチンカウンター下の引き出し収納です。
閉まった状態では特におかしくはないのですが、全段引き出してこんなことがわかりました。
2段目と4段目が、このように傾いてしまいました。(写真は2段目が傾いている写真)
同時に引き出しを引き出すことは少ないかもしれませんが、無いとは言えません。
そして、最後にこんな例。
洗面室にあったリネン庫です。
こちらの物件では、中にメッシュのカゴが設置されていました。
これは、引き出す前にわかったのですが、何かおかしい。
スライド引き出しのガイドレールが、片側だけ1段ずれて固定されていました。
これらの指摘は、比較的すぐに手直ししてもらえるものばかりですから、万が一、内覧会当日に見落としてしまっていたとしても、入居後気付いた時点で直してもらうことは可能です。
ただ、入居後に「引き出し収納が傾いている!」と気付いた場合、直してもらうために収納しているものを一度すべて取り出さなくてはいけませんから、やはり面倒です。リネン庫のガイドレールの取り付け位置の間違いにしても同様です。
内覧会の時点で見つけて指摘しておけば入居までにちゃんと直った状態で生活が始められますから、やはり早く気付くに越したことはありません。
さくら事務所の内覧会立会いのご依頼者いわく「初めて入るお部屋なので、興奮していてお部屋の中をよく見ていませんでした!」という声をお聞きすることがあるのですが、インスペクターが同行しないときは購入者自身がチェックしなくてはいけませんので、興奮しながらも、動かせるものはまずは動かしてみてください!
辻 優子(つじ ゆうこ)
大手マンションデベロッパーにて、新築マンションの販売、現場施工管理から各種購入者向けセミナー運営など幅広く携わった後、 (株)さくら事務所参画。働く主婦目線でのきめ細やかなアドバイスにも定評がある、女性コンサルタント。
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