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マンションの注文建築「コーポラティブハウス」vol.25 


都心・安い・自分仕様
コーポラティブハウスの魅力

「土とコーポラティブハウス」

(株)アーキネット代表 織山 和久

(1)屋上庭園の潤い(目に優しい、断熱効果)

 日本にはガーデニングを楽しむ方々が約1千万人います。最近では特に野菜づくりが人気です。育てる楽しさ、眺める楽しさ、口にする楽しさもありますが、何よりも土をいじることによって無心になれます。うららかな日を浴びながら土を掘り起こし、元気なミミズと対面しては励まし、こっそり混じるメヒシバを抜き、厄介なコガネムシの幼虫をはじく、そんなのどかな時が流れます。

屋上庭園。都心で日当たりが良く、のびのびした空間が生かせる。

 都会では土いじりの場所どころか土自体を見るのも珍しく、だからといって倍率数十倍もの区民農園に抽選で当たるのも難しいとなかなか条件は厳しいのですが、コーポラティブハウスではルーフテラスを活用することができます。建築規制では、低層住居専用地域における建物の高さは10mないし12mが上限です。したがってコーポラティブハウスの屋上に出れば、まわりの家々の屋根の高さは自分の足元のあたりに抑えられ、何も日光を遮るものが無い、と植物にとっても恵まれた環境が広がります。そこでインフィル打ち合わせのときに、屋上に土を入れるコンクリート枡と給排水を設計してもらえば、土や苗木を含めて10数万円で屋上庭園をしつらえることができます。
 また屋上庭園にはとても良い副産物があります。保湿性のある土が屋上にあるので、断熱効果があり、夏場の暑い日ざしの下でも、土の蒸散作用で下の階はなかなか涼しく感じられます。昔の民家で土壁が重用され、夏でもひんやりしていたことが思い出されます。

通路脇一帯に土を残し、緑の壁をつくる。

 土に触れながら、春の芽生えから冬枯れまで見守っていると「土より出でて土に還る」ということが実感でき、そしてまた、自分たちもそんな生きものだということも知ることが出来るのです。

(2)通路を緑のトンネルに

 毎日、出入りする通路に土を残すこともできます。
 分譲マンションでは、後で管理が手間かもしれないとの配慮から、通路は石やコンクリートで敷き詰められがちです。
 一方、コーポラティブハウスでは自分たちで、管理のやりやすい方法まで見通して通路を考えられます。車の轍を避ける位置や造作にする、踏みしめに強いグラウンドカバーの種類を選ぶ、水遣りの手間のかからない樹種を植える、といった工夫です。その成果として、土の部分を積極的に残して潤いのある通り道が出来上がります。
 こうした土の部分は、子どもたちのちょっとした遊び場です。這い出してきたダンゴムシを突っついて丸める、土で団子をつくって並べる、入り込んで木をゆする、といった自然との交流があります。
 土は身近な自然というのですか、意外性や変化があって体を馴染ませることが、本当に楽しいものなのでしょう。大人にとっても、その楽しさは同じかもしれません。

(3)珪藻土を自分で塗る

キッチン・ダイニングの壁に珪藻土を塗布した。見た目にも手触りにも馴染む。

 外だけでなく、中でも土にふれあうことができます。高い保温性とほどよい保湿性、耐火性などを備えた珪藻土を、内壁に塗るのがその例です。珪藻土の一粒一粒には1億分の1センチもの微細な孔が無数にあき、内部表面積は備長炭の5倍とも言われています。この微細な孔が、室内の水の分子とともに臭いの元の分子を吸着するため、消臭効果も高く、キッチン・ダイニングにも重宝されています。
 また、下地やマスキングを丁寧にすれば、自分たちでも壁塗りできるのも魅力です。工事費の半分近くは職人さんたちの工賃ですから、自分たちで塗装すればその分割安になるわけです。実際、珪藻土塗りで数回の講習に通い、工事会社にはその面の仕上げを控えていただいて、竣工前後にご夫婦で一面を仕上げた方もいらっしゃいました。土いじりの一種でしょうか。自分たちの手を動かして仕上げた住まいですから、愛着もひとしおです。

 このようにコーポラティブハウスでは、内外の空間をうまく生かして、火のある暮らしを存分に味わうことができます。人類にとって火は最大級の発明で、その活用が社会や文化の基本だったわけですから、火を囲むことに心の豊かさや温もりを感じるのは人間の本性なのかもしれません。火のある暮らしから、住まいをつくってみるのもいいのではないでしょうか?

珪藻土を自分たちで塗る前の状態。畳とあいまって、和みの空間ができた。

 住まいを自分で創ることができ、土の持つすぐれた調湿性を、現代の鉄筋コンクリートの建築空間に入れ込むことが出来る。これはコーポラティブハウスならではかもしれません。

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 土をいじり、裸足で土を踏みしめ、土壁に身を預ける・・・。住まいの内外で土とふれあうことは、暮らしの中で本来の身体感覚を取り戻す深い意義があるように思います。住まいをつくるときにうまく土を日常に取り込むと、心と体の奥から和む空間を実現することが出来るのです。

筆者プロフィール
株式会社アーキネット代表。土地・住宅制度の政策立案、不動産の開発・企画等を手掛け、創業時からインターネット利用のコーポラティブハウスの企画・運営に取組む。著書に「建設・不動産ビジネスのマーケティング戦略」(ダイヤモンド社)他。

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